絶対、絶対に、何があっても喫煙者だろうという幻覚を見ました 見たんです 絶対に吸ってる 私にはわかる
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「HiGH & LOW」シリーズより、カイキジ、ダンテツ、ニカナオ中心
shorts#コブ広
だって今からデートなの
暇? と、電話に出た瞬間に問いかけられる。暇か、暇ではないか、と言えば暇だ。見張りがあるわけでもなし、子供たちは寒いからと家へ帰っていったから子守も必要ない。
俺たちにとって家とは、外の世界の立派な『家』とはくらべものにもならない、テントとか、廃屋とか、地下道とかビル影とか、そういった『家』のことだ。小さかったころはそんな場所ですら安全と明日の生は保証されていなかった。ましてや、携帯電話なんてものを手にする余裕なんて大人たちにすら存在していなかった。連絡手段は会いに行くか所定の場所に暗号を残すか。どれも保証のない方法だ。それが今や電話一つで済むのだから、豊かになったと言える。
スプリング
いきなり映画をたくさん借りてきて、六缶パックのビールをテーブルに乗せてソファに座り込む。そうなると雅貴はてこでも動かない。尿意と映画の終わりだけが雅貴を動かせる。月に二度あるかないかの突拍子もない行動にいちいち驚く気力も持ち合わせていないので、おやすみ、と一言だけ残してリビングから移動した。
任侠、アクション、特撮、アニメ、ジャンルは問わないけれど、雅貴が選ぶ映画は全て邦画だった。最近借りていた映画のタイトルを思い浮かべて、別にハリウッド映画を借りてきたっていいじゃないか、とは思う。寝室のドアを開けた瞬間に「お休み」と雅貴の声が聞こえたような気がした。返事をするのが遅すぎる。
ドラム式洗濯乾燥機
ボタン一つで電源が入り、リモコン一つで全てが制御できる。設計意図としてはその逆で、何も知らない人間が直感的に全てをリモコンで操作できるように、となっているものが多い。シンプルに、触れば思ったように動くもの。家電たるものはそうやって売り飛ばされているというのに、目の前にある家電はうんともすんとも言わない。
三人組
ヴァルキリー
恋とか愛とか、そういうものは一度きりで十分だと考えている。それは神と崇めるべくして一人の男に出会ってからも変わらない。彼に出会ったのは一つの恋の終焉と同時だった。有体に言えば恋人が悪徳スカウト集団に拉致られて、遊ばれて、壊されて。そういう、よくある路地裏の出来事に巻き込まれたのが発端だった。
そもそもスカウトならば、女を壊してしまうのは本末転倒である。不幸なことに恋人はいくつかの条件から外れてしまい、不要なものだと捨てられたのだ。光満ちる空間からずるずると落ちて、ようやく彼女だったかけらを見つけたときには、人というものの形が抜け落ちていて、荒れた肌、抜ける髪、割れた爪、大凡尊厳というものは存在していなかった。
生理男子考察
低気圧に関する考察
雨は憂鬱だ。頭の中から何かが破裂しそうになって気分が悪い。頭が痛くて、くらくらして、ふらふらする。
そういう日は、ダンさんがやけに優しい。小さくくしゃみをすればティッシュ箱が滑り込んできて、ぐるりと肩を回せば着古した柔らかいカーディガンがそっとかけられる。生返事が続けば「もう寝よ」と布団に誘われるし、目元を擦れば頭を撫でられる。
気温が下がると、兎にも角にもダンさんが優しくなる。
その理由を知ってるから、気持ち悪いということもない。俺は、一年を通して一番優しいダンさんを堪能すべく全力で甘えることにしていた。
チハルは見た
俺は見た。山王の例会で飲んだくれるみんなの中で、異様に距離の近い二人の行動をなんだかんだ全部見ていた。少しだけだったりガン見だったり。どちらにせよ二人にはばれていると思う。俺はばれてやられるまえに、このメモを残しておきたい。
二人はいつも一緒に行動している。年齢差もあるし価値観の差もある。女の趣味も違うしバイクの趣味も違う。ロマンと実用性を求める二人は相いれないのだ。そのくせ釣り堀に一緒に行ったり俺を二人してハメたり――罠にであって怪しい意味じゃない――と阿吽の呼吸を披露している。なんかそういう名前の奴達磨に増えたな。まあいいか。
何にせよ俺が見たのは現実だ。酒も入ってたけど、ノンアルに切り替えて時間は随分と経っていた。だからあれは間違いなく現実だ。